******************************************************************** 隔週刊「77歳が送る農業文化マガジン『電子耕』」 第82号     −健康・農業・食・図書・人物情報・高齢者と若者の交流誌− 2002.5.2(木)発行 西東京市・ひばりが丘 原田 勉 ************************************* 発行部数 1744 部*********** <キーワード>   健康・食べ物・農林園芸・図書を中心とした雑学情報を提供し、庶民の歴史 も残す。高齢者と若者の交流ミニコミ誌。お互いに情報を交流しましょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目 次--------------------------------------------------------------- <読者の声 Jさん、田口さん、中原さん、斎藤さん、 ◎メルマガ『電子耕』読者アンケートのお願い(原田 勉) <舌耕のネタ>「感動が人をゆり動かし、学ぶ心、長寿ともなる」 <若者よ、何をしている!「日の丸・君が代の次は何か?」に意見を寄せられ た読者は「個人情報保護法案」などメディア規制3法案が審議に入っていると いうのに意見は無いのでしょうか> 「想い出エッセイ」東京高等農林学校時代の想い出(近藤 康男) <思いがけぬメール>「中国の暮らしと食べ物」ビデオ制作後日談 <日本たまご事情>大養鶏経営業・愛鶏園・トレーサビリティ現地取材報告 <農文協図書情報>「農業や生き方にもろもろの指針」と『日本農書全集』編 集委員会が受賞(朝日新聞社の第3回明日への環境賞) <図書情報>老人医療費を下げる『温泉で健康になる』飯島裕一著を読む <私の近況報告>4月19〜5月1日。初の現地取材をしました ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <読者の声>ここはメール交換の場です。編集者はコメントしない場合もあり ますがこれは、メールを無視したわけでは無く、読者同士の交流にゆだねると いう意味ですからご了承下さい。---------------------------------------- <読者の声> ■4/10 Jさん:大変ご無沙汰しております。北京での「中国の食べものと暮ら し」のビデオ撮影時、また、大学受験時には、大変お世話になりました。あの 後、私は東大文学部を5年前無事卒業し、広告代理店に入社いたしました。 (中略) (このメールは、職場で「お魚祭り」というイベントに農山漁村文化協会とい う団体が出展されるという話を聞き、原田勉の名前を思い出しインターネット 検索で『電子耕』を知り、メールしたという。) ●コメント:「思いがけないメール」に驚きました。10年まえからの経過を 思い出しました。詳しいことは後述の返信(本文)と再返信をご覧下さい。 ■4/18 新制作社・田口さん:「<健康情報>難病の人への見舞い状を考える」 を考える。 『電子耕』いつも楽しく読ませていただいております。・・・ 2002.04.18号では「<健康情報>難病の人への見舞い状を考える」というタイ トルの記事が掲載されていました。 http://nazuna.com/tom/2002/81-20020418.html 記事を読んで,私は農家とのつきあい方,あるいは,農家・農業を論じる姿勢 のようなものについても同じようなことがいえるのかなと思ったりしました。 別に日本の農家・農業が「難病」にかかっていると言うつもりはありません。 しかし,戦後の政治の枠組や政策体系の制度疲労,あるいは国際状況の変化, さらには個々人の価値観の変化から,日本の農業・農村がこれまでにはない局 面に入っていることは言えると思うのです。 さて,このような時代に生きる農家の人々にどのよう「言葉」を投げかければ いいものか――これが,仕事とからめての私の関心事であるわけです。 後段で取り上げたような楽観的なものの言い方は,農外の,そして自称農業フ ァン(田舎志向)のような人に多いでしょうし,しっかりせよというもの言い は,どこか「昔はもっとたいへんだったんだ…」と言いつつ,その言っている 本人は現在のところ当事者ではないという,そんな無責任さを感じられないこ ともない。 原田さんが「有り難かった」と言われているような前者のようなものの言い方 が,やはり,適切なものの言い方なのでしょう。「患者の気持ちを辛抱強く聞 くこと」は,私の仕事――‘ジャーナリスト’と勝手に考えておりますが―― にひきつけていえば,自分の意見を言う前に,まずは現場の人々の声にじっと つきあうことの大切さに通じるのかなと。そしてこのことは,取材(研究)す るものと,取材(研究)対象者との好ましい関係のあり方にもつながってくる かと思います。「言葉」で飯を食う人間として,自分が投げかけた・仕掛けた 「言葉」は,やはり,「そうなんだよねー」と共感をもって受け止めてほしい ですし。 昨日(4月13日),農と自然の研究所ほか主催「田んぼのめぐみ『生きもの目 録』発表シンポジウム」に行って来ました。宇根さんたちの活動がどれだけ広 がるかも,宇根さんたちの研究や発言がどれだけ現場の,当事者としての農家 に受け入れられるかにかかっていると思います。 山崎農研も活動・組織の見直しに入りました。たしかに「営利」目的の組織で はないですから,NPO法人等への転換は妥当と考えられますが,それでもなお 「資金繰り」の問題は残ります。私のような人間にできるのは「売れる本」を つくることぐらいなのかなあと(これが一番難しいのですが!)。『水―農か らの提言』をどれだけ現場の人々に共感をもって受け入れられるようなものに できるか――まずはここから始めようと考えていますが。 原田さんのほうも,著作の執筆も進んでおられるようですね,適当なところで 拝見させていただければと思います。ただ今年「も」気候が変なのが気になり ます。どうかお体にはお気をつけください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★★★★★★<<読者の声>投稿者へ必読のお願い>★★★★★★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎メルマガ『電子耕』読者アンケートのお願い  2002.4.28 原田 勉  この度、私が発行している『電子耕』の体験をまとめて、ある出版社から新 書を刊行する予定です。  つきましては、編集の参考として貴方さまが読者の立場から、何に興味をも って読んで頂いているか。次の項目などについて教えて下さるように、お願い 申し上げます。回答は二つ以上になっても構いません。締め切りは5月20日 頃までに、お願い致します。 (アンケート項目) 0、単に興味があったから。面白かったから。でも何でも結構です。 (次の項目を主に読んでいる、という例として参考に挙げました。該当する所 があったら丸を付けて下さい) 1、<読者の声>(若い人の声、主婦の声、シニアの声、その他) 2、コラム<舌耕のネタ>(自己中心で嫌いだ、おおかた賛成だ、反対でも面 白いなど) 3、<健康情報>(長寿の秘訣、病気のいろいろ、健康法など) 4、<農業情報>(山崎農業研究所の情報、時の農業問題、菜園だより、など 雑学) 5、<農業・図書情報>(新刊図書、話題図書、農文協図書館情報など) 6、人物紹介、庶民の歴史、近藤康男の近況報告、など 7、編集・発行人の考え方(ミニコミ誌としていかが?、賛成・異論がある? など) 8、その他、(コメント)ご意見を聞かせて下さい。 (お願い)  なお、投稿・寄稿者からの文章の一部引用は、刊行まえに諾否のお伺いをe メールで致しますが、ご返事のない場合は掲載致しません。  投稿者のネームは原則として英文の頭文字(例えば原田 勉はT.H)の表 示としますが、ハンドルネーム、或いはご指定の氏名をご希望の方はお申し出 ください。 本の発行期日などが確定したら、『電子耕』でお知らせ申し上げます。  また、出版本の贈呈や原稿料のお支払は出来かねますが、印税の一部を「日 本骨髄腫患者の会」「全国骨髄バンク」など難病支援組織に寄付することでご 了解下さるようにお願い申し上げます。  以上なにとぞ、よろしくお願い致します。 ご返事をお待ちしております。 原田 勉  tom@nazuna.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <舌耕のネタ>「感動が人をゆり動かし、学ぶ心、長寿ともなる」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  最近のテレビで市川猿之助さんが、「学ぶ」ということについて語っていた。 「感動が人を揺り動かし、向上心、学ぶ力を生む。」「一度だけの人生だから、 キラキラ輝く人生を送りたい」とも言っていた。  昨年104歳で亡くなった加藤シヅエさんは「一日に10回の感動をモット ーにしている」と言われてた。何気ない日常の中に、路傍の草花にもこんな窮 屈なところで可憐に咲く姿に感動する。深く感じて、心に命じたことが何より の長寿法になっていると。  感情が高ぶるとドーパミンなどの脳内物質が多く放出されて、知覚が強まる。 それが長期記憶につながると毎日新聞の解説にあった。  今年103歳の近藤康男さんは、昔の記憶を引き出してエッセイを書いてい る(「想い出エッセイ」参照)。これもかつて感動した記憶の想い出だ。それ が楽しいという。元気の素になり長寿を保っている。  私も『電子耕』で、読者の励ましや感動を受けて、免疫力強化になっている。 楽しいこと、感動したことを中心に新書を出せば、また元気になるだろう。  連休はバックナンバーを読んで、楽しい本の編集作業をすることになる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <若者よ、何をしている!「日の丸・君が代の次は何か?」に意見を寄せられ た読者は「個人情報保護法案」などメディア規制3法案が審議に入っていると いうのに意見は無いのでしょうか> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  本誌第12号 http://nazuna.com/tom/1999/12-19990916.html で「日の丸・君が代の次は何か?」の問題提起をしたとき、意見を述べて下さ った24歳の陣強さん、どうしていますか。ひろさん・たまみさん・小栗さん・ アンドレさんは如何がですか。異なる意見も交換するのが本誌の趣旨です。そ れでお互い楽しみました。  猫太郎さん・田んぼのおばさん・川口さん・渋谷さん・鈴木さん・onestoさ ん。そのほかの方も、あの時の熱気ある<読者の声>を聞かせてください。  私はメルマガの編集・発行者として、現在国会で審議が進んでいる「メディ ア規制3法案」が、こうした言論の自由を奪い、市民を弾圧する方向に進みそ うだと心配しています。作家の城山三郎さんは、これを「言論弾圧三法」と名 付け、大正末に成立し、思想弾圧に猛威を振るった「治安維持法」より悪質。 現在の内閣官房は戦前の陸海軍大本営であると断じている。そしてこの法案を 作った人と賛成した議員は「言論弾圧賛成議員名を公表」して、「自由の死碑」 を作るという。私もその主張を支持したい。そのためには選挙区の有権者に対 して何らかの行動を起こして貰いたいと思う。  前号で書いた「個人情報保護法案」などメディア規制3法案が進行している のにぜひ市民の声を反映して、廃案に持ち込みましょう。私達も出来る反対の 声を揚げたい(原田)。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「想い出エッセイ」東京高等農林学校時代の想い出(近藤 康男) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「東京高農の農業経済学ゼミの学生たち」  1935(昭和10)年、東大農学部本科が東京市目黒区駒場から本郷区弥 生町に移転するとき、実科は東京高等農林学校となり、北多摩郡府中町蛇窪に あった東大演習林に新校舎を建設して独立した。  学科は農、林、獣医に分かれ、私は農科の農業経済学を担当する初代の教授 となった。36歳の時で東大助教授を兼務していた。現在東京東京農工大学と なって農業経済学系の講座も多くなったが、その開祖は私である。目黒・駒場 から府中へ移った学生は演習林の伐採から開墾が農場実習の主な仕事であった。 その合間の授業と演習であった。   当時、農業経済学の教授室は1936(昭和11)年卒業生のアルバムにあ る農業経済学のゼミの写真のように暗かった。そこに、私と七人の学生がいる。 現在、唯一人健在の吉沢二郎氏は当時を回想して、次のように語っている。 「近藤先生の農業経済学の授業もゼミもよく分からなかったが、覚えているの は農林省の試験のとき、指導教官は誰かと聞かれて、近藤康男先生です、と答 えたら一発で、よろしいと言われたことだ。それで当時小作問題の調停をする 小作官補に採用され、戦後も地方の農地改革などの仕事に従事、近藤先生の教 えを生涯守ってきた」 吉沢より二年後輩、(注1)1938(昭和13)年卒の守屋直助氏は、当 時のことを想い出し、次のような手紙を送ってきた。 「近藤先生からはマルクス経済学の講義をうけました。そのころは(昭和11、 12年)軍国主義に突入した時でしたから校内では勿論、書店からもマルクス 主義的な色彩の書物はすべて抹殺されておりました。そんなとき、私たちはあ えて先生にマルクス主義とは如何なるものか講義を注文しました。  先生は微笑を浮かべて私たちの変な要求を聞いていました。そして先生はお もむろに口を開きました。  『わかった、その代わりに次の条件をつけるぞ、   1、絶対にマルクス経済学的な講義をうけたことを口外しない、   2、講義を聞くだけでノートはしない、   3、窓を閉めておけ、   どうだ、守れるか』  もちろん、私たち農学科の学生は守りました。その証拠には校長も警察から もいっさい文句がきませんでした。近藤先生の農業経済学はそんな特別講義だ ったのです。とても貴重な講義でしたがテストも無かったので、いまは皆忘れ てしまったが、このことだけは一生忘れません。先生の軍部や文部省に対する 抵抗が兵隊ぎらいな若者にとっては人気のある先生でした。」 (注1)この二人の想い出の違いは、日本にとって満州事変・日中戦争から太 平洋戦争への移行期の2年間の思想統制の違いである。私に関して想い起こさ れる大きな相違の原因となった言論の自由の差を反映したものである。(近藤) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <思いがけぬメール>「中国の食べものと暮らし」ビデオ制作後日談 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  4月10日の<読者の声>にあるJさんは、私が中国農業映画制作所との合 作で世界地理教材ビデオを制作したとき、出演してくれた北京日本人学校の優 等生だった。中国人の日本語教科を学んでいた生徒と二人で「中国人の食文化 と風土・産業・庶民の生活」を案内してくれたロケだった。仕上げは中国農業 電影制片庁のスタジオだった。 だから、思いがけぬメールをもらって、10年まえを思い出し、ふたたび還 ることのない「中国電影のスタジオ風景のなかの貴女と老師の姿」を想い出し 懐かしさで胸がいっぱいになった。 しかし、メールでは彼女の父はすでにがん闘病の果てに亡くなったというお 知らせも含まれていた。だから次のような返信メールを送った。 「懐かしいお便り、13日に拝見しました。  まず、お父上の、ご不幸について、謹んでお悔やみ申し上げます。  やさしく、立派な人格者でした。  日中友好の架け橋となり、永年にわたる中国学生の為に清純な日本語と日本  文学の教育業績は高く評価され、大きく讃えらるべきものでした。  そして、貴女をこよなく愛し、その成長に期待し、ご自慢の息女に育てられ  ました。あなたも、それに良く応え、勉学し、立身出世をされました。再び  父上にお逢いしたら、共に祝福できたのに、お逢い出来なくなったこと、ま  ことが残念です。心からご冥福をお祈り致します。  貴方が、東大を卒業され、広告代理店に入られたことまでは存じていました。  重要で大変な仕事でしょうが、やりがいのあることでしょう。将来を期待し  ております。  私は、農文協図書館の近藤康男(103歳)理事長秘書として、勤めながら、  メルマガ発行をつづけ、多くのメル友に助けられ日々楽しく暮らしています。 (中略)  あなたも、お忙しいでしょうから、充分お躰に気をつけられて元気にご活躍  して下さい。農文協図書館には「中国の食べものと暮らし」のビデオも閲覧  できるようになっています。(原田 勉)」 4/15 Jさん:お返事、ありがとうございました。 >お返事、ありがとうございました。 >とてもうれしく拝見しました。 >「中国の暮らしと食べ物」のビデオは、 >私も大切に保管してあります。 >お元気そうで本当に安心しました。 >人間の体ってとても不思議なので、 >きっと治ると思います。 >いつまでもお元気で、原田様らしくご活躍ください。 >本当に素晴らしいことです。 > >私のほうは、バタバタした毎日ですが、 >これも原田様をはじめ、いろんな方の暖かいお力添えがあって、 >そのうえに成り立ったことであることに >とても感謝しております。 >年を追うごとに、その実感は強まるばかりです。 >本当にありがとうございました。 >またお目にかかれます機会がありますよう。 >たのしみにしながら今日もがんばります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <日本たまご事情>大養鶏経営・愛鶏園・トレーサビリティ現地取材報告 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  4月23日、埼玉県岡部町に(株)愛鶏園・斎藤富士雄さんを訪問した。 (株)愛鶏園 http://www.ikn.co.jp/  私は訪問のまえに農文協から出版された『農家養鶏の重点技術』−40年の 経験の中から−斎藤虎松著(1967年)を読んでいた。そのまえがきに、 「私は1900年うまれだから今年66歳。現在成鶏2万羽の採卵養鶏を経営 しています。子供は7人、そのうち長女、長男、次男の3人は独立して数万羽 の企業養鶏をやっています」(要約)とありました。  この前書きだけで、立派な物語と感心しました。それから36年。まえがき の長男が富士雄さんでした。  創始者虎松さんは1923(大正12)年結核療養に必要な玉子をとるため 神奈川県で10羽の養鶏からはじめた。戦後は神奈川県養鶏経済連の初代組合 長になった。それが1966年現在の岡部町に移り、茨城にも大規模養鶏場を 建設し、息子兄弟3人で産卵鶏100万羽を飼う大養鶏経営に発展している。  斎藤さんは、本誌の<日本たまご事情>レギュラー寄稿家でもあるが一度は 現場を見たいと希望して、友人5人も同行して突っ込んだ見聞をしてきた。  私も30年まえには「成功する養鶏経営」という映画を神奈川などで撮影し た経験があったが、そのころと比べれば、隔世の感があった。例えばウインド ウレス鶏舎も当時は汚染されていて永続は困難とみられていたが、今では完全 に外部と遮断され、人間は直接視ることもできない。病気伝染を防ぐためだ。  ここでは、種鶏からヒヨコまで、ヒヨコから親鶏まで、離れた所で飼育し、 採卵からパック詰めまで機械処理と徹底している。良いヒナ、良いエサ、良い 管理、玉子は新鮮・安全、鶏糞などの処理も環境にわるいことはしないと宣言 している。玉子に入り込むサルモネラ検査対策も確立している。  一緒に訪問した中原さんは次のような感想をのべている。 --(4/24)-- 原田様 ご準備、多々のお心遣いで、有意義に過ごせました。 感謝でございます。 齋藤さんにお土産に頂いた二黄卵 早速にゆでて食べました。美味しゅうござ いました。  昨日は、久しぶりの関東の畑作地帯で、街道にはハナミズキが咲き、防風林 から吹く風はさわやか。  目指す愛鶏園の鶏舎はドンと大きく、自信に満ちテ,存在感を示していまし た。施設は清潔で,事務所は活気がありました,最後に意見交換のひと時をもっ たホールEGG FARMには、やさしい笑顔と文化の香りでした。  この地だけでも30有余年の御労苦と常に先を見て危機を乗り越えてこられ た齋藤さんの自信が感じられました。  生産者が自らから発信される肥育管理の情報の公開への取りくみの説明では、 ヒトの意見に耳を傾けられる素直さとともに,常にリスクテイクする強い意志 が感じられ頼もしい限りでした。  昨今 準備を進めているトレーサビリティの仕組みについてのお考えは、多 くの事例にあるスーパーや通信業者のものとは違い、消費者との信頼の絆を太 くしていくために、生産者自身が、生産・流通の情報を公開するものであり, 消費者に対して,ITを使って直接的に、理解とコンセンサスをうるための説明 するものとなることを期待しています。  昨年のご病気を機に、5人のお子さんを含めての新しい役割分担が生まれ、 そのの中から、さらなる明日を拓くマネジメントや新しい生産の方式が生まれ る事と期待されます。  広く寄せられるグローバルな環境問題への意識や、地元の古い農家の保存活 動を通じての地域社会との繋がりなどお心遣いもたいしたものです。  見学の後、 EGG HALLに案内されました。今日の参加メンバー井上先生ご 夫妻、原田先輩そして二神君と 齋藤ご夫妻を囲んだ、このお茶のひと時は、 真に有意義かつ愉快で最高でした。今年もまた、世界で活躍するミュージシャ ンの演奏会が開かれる時、このホールはどんな顔を見せるのでしょうか。  夫人がプロデュースされ,この岡部の地へ海外からも聴きに来る演奏会に、 できれば私も参加したい、そんな思いで後にしました。 原田先輩お世話有難うございました。 ----  私も次のような感想を斎藤さんに送信した。(4/24) 「初めてのオフラインミーティングで、大きな収穫がありました。 お互いに、インターネットを3年やっていると、やっていない人との情報格差 が大きくなることを認識した会合でした。 1、トレサービリティについての中原・斎藤さんのやりとりで、生産者のやる べき情報発信が明らかになったと思います。 2、消費者代表の井上夫人の疑問に答えた斎藤さんの「30年かけた改革の歴 史」と、誤った常識(10年前の認識)への解答は、そのまま、一般にも通用 することでした。 3、とくに、アメリカのトウモロコシなどGM作物への拒否運動が消費者に広 がれば、アメリカの農産物生産者もGM作物の作付けを減らす方向になるでし ょう。その場合穀物価格が下がるかどうか問題ですが。 (斎藤さんの話では、現在より価格があがり、非GMトウモロコシだけ使うな ら、100万羽養鶏でエサ代が年間1億円も多くなる。しかし、生協の方針と 話し合いで6月から全面的に非GMに切り替える。現状でヒナにもにわとりに も何等問題は出ていないが長期間見ないと何が出てくろか判らないから。) 「食料主権」を言う場合、消費者も日本の生産者の苦労を学ぶ必要があるでし ょう。食の安全は食料主権(自給)の確立なしにはありえない。そのための民 間の監視機関(NGO)の設立が必要ではないでしょうか。」 (4/24 斎藤さん:REお礼と感想・・   原田 勉様 よく訪ねてくださいました。 お陰様で楽しいひと時を過ごすことができました。 中原氏のアドバイスですっきりしました。 齋藤 富士雄 (原田勉から第2信、4月26日、斎藤虎松さんの生誕102年を記念して)  虎松さんの本から36年。次は、貴方の番です。ホームページの増設・更新 に、まず貴方の「30年かけた改革の歴史」と、誤った常識(10年前の認識) への解答を、提案します。  お子さんに手分けして書いて貰うのもよし、貴方がQ&A式にテープに吹き 込んで、テープ起こす人に頼んでも良いと思います。それを点検・編集すれば 良いでしょう。よく編集者がやる手ですが。  提携出版といって山崎農業研究所編の『食料主権』のように発売元になる方 法もあります。ホームページと連携して少しづつでも、積み上げてゆけば、よ り中身のある『まるごと楽しむたまご百科』ができると思います。  とうもろこしの遺伝子組み替え(GM)問題も動物愛護問題も日本とヨーロ ッパの比較などニュースになります。ホームページでニュースになるネタを提 供すれば、新聞・テレビも乗ってきます。ぜひ消費者教育をやってください。  現地見学の結果、夢がふくらんできました。今後に期待します) (4/26 斎藤さん:RE虎松さん・・ 原田 勉先輩 有難うございます。 つぎつぎとアイデアが湧き出してまるで青年のようですね。 こちらも是非あやかってやって見たいとおもいます。 今日、湯河原で萩原さん(原田さんと同期)にお会いしました。 神奈川養鶏連の理事をともにやっております、組合が設立50年になりますの で記念誌を企画しております。 その打ち合わせでした。 齋藤 富士雄 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <農文協図書情報>「農業や生き方にもろもろの指針」と『日本農書全集』編 集委員会が受賞(朝日新聞社の第3回明日への環境賞・農業特別賞) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  その贈呈式が4月24日に行われ、飯沼二郎・京都大学名誉教授と佐藤常雄・ 筑波大学教授が、同時に受賞した4団体とともに賞状と賞杯を受け取った。 『日本農書全集』編集委員会は、各地の郷土史家らと江戸時代に全国各地で記 述された農書の復刻・現代語訳に取り組み、2期24年かけて、索引を含め7 3巻にまとめた。環境を汚さない当時の農法を紹介し、現代の農業やくらしに 大きな示唆を与えた点が評価され、平均で6000部、多い巻は1万2000 部と専門書としては異例の売れ行きとなっている。  大木浩環境大臣は祝辞で「江戸時代の農業がいかに環境を考えながらやって いたか。現在の私たちに反省を促すことが多々ある」と述べた。  佐藤教授はあいさつで「農書は生きざまを書き残してくれた祖先のプレゼン トだ」と話し、「この全集は日本の農業、あるいは生きるすべを表した古典。 古典は現代に生かしてよみがえって初めて古典となる。21世紀に日本人がど う生きるか、もろもろの指針が宝のように横たわっている」と語った。 (朝日新聞2002年4月24日朝刊より) http://www.asahi.com/ (WEBに記事は未掲載です。) *第3回明日への環境賞・農業特別賞(旧朝日農業賞) *朝日農業賞は「農業分野のノーベル賞」とも云われた権威ある賞。 日本農書全集の紹介 http://www.ruralnet.or.jp/zensyu/nousyo/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <図書情報>老人医療費を下げる『温泉で健康になる』飯島裕一著を読む ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  温泉がよいという本はいくらでもある。これもその一つと思って読んだ。だ が、高齢者と温泉というカ所で「温泉は老人医療費の抑制につながる」という。 その事例として、長野県北御牧村が医療・保健・福祉の統合をめざした社会福 祉法人「ケアポートみまき」を中心に、温泉を生かした健康づくりに取り組ん でいる先進的な自治体だ。と言われているのを知った。94年から3年間で1 7%も下がっている。楽しみながら体を動かす「シルバー温泉プール浴教室」 の参加者たちの写真を見て、納得した。  北御牧村は、文化座の芝居「おりき」を村をあげて鑑賞したとき、文化座友 の会員として参加した。だから村の様子は知っていた。浅間山を望む千曲川左 岸の農村で平坦でない山坂の多いところ。長いあいだ農業をしてきた年寄りは、 腰、ひざ、股関節の痛みに悩む人が多いが、「温泉プールの運動で痛みが軽く なった」という声をよくきくという。そのため通院が少なくなり、痛み止めの 薬を貰う人が減ったことで医療費が下がったというわけだ。  だが、この本は入浴中の事故にもふれ、安全な入浴法をといている。危ない のは熱い湯に首までつかって、のぼせから溺死につながる。入浴中の死亡は4 0度以上の熱い湯に入った男性が多いという。単身赴任の酩酊入浴事故が目に つくと警告している。  温泉は楽しい、体にいいのはなぜか。など医学的根拠を追って国内外の温泉 療法の現場を訪ね歩いた成果の本。岩波アクティブ新書700円+税 http://www.iwanami.co.jp/active/lineup/spec022.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <私の近況報告>4月19〜5月1日。初の現地取材訪問をしました ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月23日、埼玉県岡部町愛鶏園にトレーサビリティ取材訪問。同行者、井上 夫妻、中原、二神の4人。稔りある現地訪問だった。本文参照。こうした生産 現場の調査を今後も行いたい。生きてるあかしに。 24日、農文協農書全集編集委員会に朝日新聞社「明日への環境賞」贈呈。解 説は本文参照(そのうち農文協図書館HPに紹介) 24日、ある出版社の編集者と打ち合わせ。『電子耕』の読者アンケートをす ることにする。本誌冒頭に掲げる。ご協力をお願いします。 26日10時、農文協図書館に出勤したら、近藤康男先生が先に出勤しておら れて、高農時代の思い出エッセイの素材探しを依頼される。103歳にしてな お元気。感動した思い出を書くことが脳内物質を多くし、知覚が強まり、記憶 につながるという。これが免疫力を強化し、長寿法になっていると思う。 同じく26日、農林省OB宮下さんから電話。近藤康男先生の家庭菜園を見学 したいと。百歳のときの朝日新聞を見てといわれる。あれから3年老化が進ん で「目がみえなくなり野菜の発芽・生育が判らないので孫に委ねた」農林省の OBなら、昨年発行の『三世紀を生きて』をご覧ください。と答える。 5月1日、近藤康男先生のエッセイ「『農業経済論』改訂の頃」をワープロ入 力する。これが私の免疫力保持になり、感動・活性化の素、長寿法である。 --------------------------------------------------------------------- ━PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■■      劇団文化座創立60周年記念 特別公演 ■■■□          佐々木愛舞台生活40周年 ■■□□『「ひとり芝居 越後つついし親不知」―ファイナルステージ― 』 ■□□□       作・演出=水上勉 出演=佐々木愛 □□□□   公演日程7月9日(火)〜15日(月)(11日(木)休演) □□□□    会場 駒込・文化座アトリエ(各回100席限定)  http://bunkaza.com/play/echigo/echigo2002.html ■■■■  劇団文化座創立60周年記念第3弾 第115回公演 ■■■□  -1960年代の青春がいま甦る!話題作必見の凱旋公演- ■■□□        『 青春デンデケデケデケ 』 ■□□□  原作/芦原すなお・脚本/小松幹生・演出/佐々木雄二 □□□□   公演日程 2002年8月28日(水)〜9月8日(日) □□□□        会場 下北沢・本多劇場  http://bunkaza.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━━ 『電子耕』から大切なお知らせ http://nazuna.com/tom/10.html <本誌記事の無断転載を禁じます> ********************************************************************   隔週刊「77歳が送る農業文化マガジン『電子耕』」  第82号 バックナンバー・購読申し込み/解除案内 http://nazuna.com/tom/denshico.html 2002.5.2(木)発行    西東京市・ひばりが丘  原田 勉 mailto:tom@nazuna.com ***発行部数 1744部 ********************ここまで『電子耕』**********