*****ここから『電子耕』**********************************************   隔週刊「75歳が送る農業文化マガジン『電子耕』」  第50号   --農業・健康・食・図書・人物情報--  http://nazuna.com/tom/denshico.html 2001.1.25(木)発行      東京・ひばりケ丘  原田 勉 mailto:tom@nazuna.com ********************************************発行部数1285+77部******** <キーワード>   農業を中心として健康・食べ物・図書・人物・庶民の歴史をめぐる雑学情報 を提供し、<読者の声>欄でお互いの意見交換の場を作りましょう。 --------------------------------------------------------------------- <本誌記事の無断転載を禁じます、教育目的の転載も承認を求めて下さい>  投稿メールは原則として<読者の声>に掲載します。都合の悪い方は「載せ ないで」と明記して下さい。ペンネームの無い方は姓だけで載せますので、ご 了承ください。内容は自己責任でお願いします。字数は200〜400字を標 準とします。短い文章で簡潔に書く練習のつもりでお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目 次 <読者の声>森本さん、編集同人から、ニコニコ荘さん、カナダから、紀平さ ん、 <舌耕のネタ>文化座「若夏に還らず」を観て <新聞文化情報>・1月10日協同組合新聞・近藤:梶井 <山崎農業研究所・研究会情報>日本農業は生き残れるか・予告 <食べ物情報>凍み豆腐を召し上がれ <暑さも 寒さも>土と人間の関わりを作る(その2)環境クラブ 増山博康 <農業・図書情報>近藤康男が統計課長になった話「三世紀を生きて」第7回 その1・(1月号) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <読者の声>ここはメール交換の場です。編集者はコメントしない場合もあり ますがこれは、メールを無視したわけでは無く、読者同士の交流にゆだねると いう意味ですからご了承下さい。---------------------------------------- ◎ 投稿募集、「20世紀の記憶・忘れてならないもの」過去100年の日本・ 世界のできごと、私の忘れられない記憶を募集します。  字数:500字以内。期待しています。締切:なし、いつでも適宜に掲載し ます。お名前(ハンドネームでも可)年齢を明示して下さい。 ---------------------------------------------------------------------- <読者の声> ■1/10 森本さん、中国農業事情について 原田先生 明けましておめでとうございます。 その後お体の方はいかがですか。 ご無理のないようご自愛ください。 昨年末に、中国の農業事情について知りたくて太陽フレームに教えを乞いまし た。 最近、日本のマーケットに中国や韓国産のものがよく出回るようになり、その 品質についてとかくの噂を耳にしたからです。 露地栽培であるがゆえの農薬多用とか、下肥使用による回虫不安などです。 もし、ハウス栽培(日本では常識的な)などが進んでいるなら そのような問題は解決されているのではと考えてのことです。 あちらの事情にはまったく疎く、なかなかそうした情報が 得られません。何か参考になる窓口があればアクセスするのですが、 よろしければ、ご教示ください。 ところで、山崎農業研究所のご活動記事などを見ても、国内における その種の話題があまり見られないのはなぜでしょうか。 私の、見落としかもしれませんが、全国各地で盛んなハウス栽培に 関して、専門家の方々のご意見も伺いたいと思いました。 素人考えですがこれについては色々な問題を含んでいると思います。 (中略) 近藤先生のご様子や、原田先生のご活躍ぶりを知るにつけ 頭が下がり、心が弾みます。 ますますのご健勝と、ご活躍を心からお祈りしております。 ●中国との交流は農文協で盛んに行っています。文献は図書館にあります。 http://www.ruralnet.or.jp/ にアクセスして下さい。 農工大日中友好会で毎年中国訪問しています。今年も参加募集します。 http://jc-yuko.gr.jp/ にアクセスしてください。 環境クラブは、国際的にも酸性雨など調査活動をしています。最近情報を 転送します。今後もどうぞよろしく。 ■1/11 ビグレイ森本さん 原田 先生 早速のご教示を深く感謝申しあげます。 アクセスして勉強させていただきます。 また環境クラブの最新情報も興味深く読ませていただきました。 今朝の朝日に、2031年の東京の気温が40℃を超える?と ありましたが、恐ろしいことです。 温暖化のみならず、酸性雨の被害も確実に広がっている現状に、 寒気を覚えます。 これからも注意しつつ、子や孫に負の遺産を残さないよう 微力を尽くす所存です。 また、電子耕新年号は投稿や意見が多く、充実感がありました。 卵、餅、七草そして満州移民の話などどれもが、忘れかけたり 知らないことでした。 これからも、楽しみにしております。 有難うございました。   ビグレイ・プランニング  森本 兢 ■1/11 編集同人から、感想です いろいろな人の書き込みがあって、良かったと思います。 戦争と平和問題は、大事な問題なのですが、 話しが政治的なレベルになると、ついてこれない人もいると思います。 今回の「電子耕」は、ふだんは、あまり、読者の声欄に反映されていなくても、 農家の方々が、数多く読んでいることが分かり、とても参考になりました。 「日本たまご事情」などで、読者の人から、タマゴの安全性について、質問が 来て、いろいろ議論出来るようになるといいですね。 増山 P.S 以下は、個人的な質問です。 投稿者の方に、お返事願えたらと思います。 >■12/22 ニコニコ荘さん、 >主な肥料は鶏糞ですが、鶏糞にはヒエの種子が入っているんですよね? >今年は特にヒエの当たり年で苦労しました。 鶏糞にヒエが入っていると言うのは、 現在の工業的養鶏においても、普通の状態なのでしょうか? それとも、自然に近い状態で育てた鶏の糞だけのことでしょうか? ■1/11 ニコニコ荘さん、お答しきれません まったく未確認情報なのですが、みんながそう言います。 トラクターに付けたブロキャスで撒くために粒状鶏糞を使ってます。 工業的養鶏のものでしょうね。 鳥の消化能力は3割という話も聞きました。 答えられずに質問を返すようで申し訳ありませんが、 米選機から落ちた未熟米の中に、ヒエの種子が入っています。 それは、養鶏場の飼料になると聞きましたが、今は違うんでしょうか? でも12年は、化学肥料でもヒエがたくさんでてました。 小規模なら、まめに獲ってキレイになってましたけど。 うちよりすごいとこもありました。 ぜんぜん答えになってなくて、すいませんです。 ■1/12 カナダからMing-Yuan Wuさん 遠いの「プレゼント」ですので、わざわざ送って頂いて、どうも有り難う御座 いました!早速ですが、読ませていただきます! 然し、もし質問はありましたら、聞かせても宜しいでしょうか? ■1/20 紀平さん、「昔のたまごはおいしかった」は面白かった。 「昔のたまごは美味しかった」の指摘はなかなかおもしろかったです。 とても参考になります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <舌耕のネタ>文化座「若夏に還らず」を観て ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1月13日私は、森口豁『最後の学徒兵』を堀江安夫が劇作した文化座の 「若夏に還らず」を観た。1945年4月沖縄・石垣島で起きた海軍による米 兵捕虜の斬殺事件。その執行者の一人、戦後BC級戦犯として処刑された学徒 兵の真実を解きあかす劇である。私も彼より1年遅れて軍隊に召集されたもの として、戦時中の日本・軍隊の不条理をいかに描くか興味津々であった。  本誌でも戦争と平和について、しばしば取り上げてきた。そして若い読者に は、ときに反発もされ、戦時体験がいかに伝えることが難しいかを知っている。 やや、あきらめもあったが、この劇を観て、「そうだ、やり方によっては解っ て貰えるんだ」との確信が生まれた。劇作家・堀江安夫自身が戦時中にタイム スリップして学徒兵たちと寝食をともにすることによって、最期の学徒兵・田 口泰正の死を無駄にさせないためにも、戦時中はもちろん戦後獄中の心理まで を追求した。そして、1950年最期の絞首刑まで続いた日本軍隊の組織悪を 追及し、併せて日米軍事同盟のシステムまで予感させた。なぜなら彼の死刑の 後、朝鮮戦争が始まると戦犯処刑は中止になり、日本の軍備を進めたからだ。 戦争が如何に間違っているか、いかに狂気であるかを明らかにした。  これは、現在の政治や企業のリストラにも共通する不条理の存在を抉って見 せた。21世紀を迎えた今も、言論機関や芸術表現でも「難しいことをわかり やすく、わかりやすいことを深く、深いことを面白く」(井上ひさし)が大切 だと思った。私も、戦時中の軍隊がいかに人間性を喪失させたか、いずれ明か にしたい決意である。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <新聞文化情報>・1月10日協同組合新聞・近藤先生に聞く梶井学長 102歳の農業経済学者が語る「3世紀生きて思う明日の農業」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○いちばん深い思い出は思想弾圧で東大を追放されたこと。 ○『農業経済論』の書き直しは、屈辱を感じながらも、理論的な骨格は残さな くてはと考えて苦心した。 ○農地改革は上からの改革で、不満足だった。株式会社も認めることなど、や っぱり駄目だなあという感じだ。 ○食糧自給はアメリカの無理を聞かないためにも必要だ。 ○農協は組合員の求めているもの、必要なもの、主張することを考えること。 ○日本農業を支える高齢者もむりをしなければ働ける。高齢者には、あまり歳 をとったと言わない方がいいのではないか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <山崎農業研究所・研究会情報>予告 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日時:3月3日(土)13:15〜17:30、 場所:太陽コンサルタンツ(株)6階会議室 テーマ:日本農業は生き残れるか・新世紀への提言 日本農業の閉塞状態をいかに打開するか。国際化、農業技術、担い手をキー ワードにして新たな方向を模索する。 1、WTO体制下の日本農業:松坂正次郎(農政と共済主筆) 2、成熟段階の農業技術:林尚孝(茨城大学名誉教授) 3、減少する農業生産の担い手:宇佐美繁(宇都宮大学教授) ○総合討論 16:30〜17:00 参加希望は山崎農業研究所へ03ー3357ー5916井上・小泉まで。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <食べ物情報>凍み豆腐を召し上がれ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  日本には、栄養価の高い保存食で煮物や吸物に一年中利用されている凍み豆 腐がある。その一口情報である。豆腐の原料の大豆は中国東北部の原産で日本 では縄文時代から栽培されていたことが知られている。豆腐は奈良時代に遣唐 使によって中国からもたらされた。  凍み豆腐は桃山時代に和歌山の高野山で始まり、江戸時代には奥羽地方や信 州の民間で製法が工夫され発達したといわれる。関西では高野豆腐といい、東 北では凍み豆腐と言われる。長野ではこおり(凍り)豆腐という。  江戸時代(天明2・1782年)に書かれた『豆腐百珍』では凍豆腐の作り 方について「豆腐一丁を八つに切り、かごに並べ熱湯をかけて外に出し、極寒 に一夜さらし、翌日、湯煮して柔らかくし、浮き上がったら取り上げ、少し押 しをかけてから、また、かごに並べ、幾日も日にさらす」とある。高野山では やわらかな豆腐でつくり、その他の地方の凍み豆腐は固めのを使う。  ポイントは極寒の夜にスノコに並べて寒気にさらすこと。これで豆腐の素で ある大豆タンパク質は構造が変る。解き目なしの編み物のようなスポンジ構造 になり、内部に氷の小片をいっぱいかかえている。翌日陽が昇り温度が上昇す ると、氷はとけ出す。あとには大豆タンパクのスポンジだけが残る。これを乾 燥したのが凍み豆腐である。明治34年アメリカから製氷機を輸入してからは 冷凍技術の発達で工場生産もできるようになった。長野県伊那地方では農家の 副業から始まり農村での冬の風物詩として知られたが、大正時代からいろいろ な加工発明があり、近年は大規模工業化が進み、日本一の生産量になった。  今は鍋物の季節です、ぜひお試し下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <暑さも 寒さも>土と人間の関わりを作る(その2)環境クラブ 増山博康 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 新年あけましておめでとうございます。 年末にもらったメールの中で、「過去よりも未来だ」と言うフレーズがありま した。 本当に、未来を考える新世紀の第一年にしたいと思います。 ドストエフスキーの「罪と罰」の中に、こんなセリフが出てきます。 「どうして、そんな風に、自分で自分を駄目にしてしまうようなことをしてし まったの?どんなにか苦しいでしょう。一生、その罪を苦しまなければならな いなんて・・・。 (中略) どうしたらいいかですって? 十字路に行き、あなたが汚してしまった大地に接吻しなさい。 そして、世界中の人に言うのです。 『私が人を殺しました』と・・・」。 どうして、「大地」なんだろう? 殺人のような犯罪によって汚れるのは、「大地」であると言うのは、どういう 意味なのだろう?ここを読むたびに不思議に想うことです。 さて、「土と人間の関わりを作る」 その2です。 環境クラブの発足の前から、漠然と考えていたことは、「環境問題の解決を目 指す」、「参加型のシステムを作る」、「事業を作る」と言うようなことです。 10年ぐらい、いろいろと試行錯誤を繰り返してみて、どうやら、そうしたこ とがらを進めていく上で、核になりそうなのが、「土と人間の関わりを作る」 ことにあるらしいと気づきました。 僕自身は、環境問題に関わる前、障害者の介助の運動に関わっていました。 実を言うと、環境問題に関わり出してから、非常な違和感を覚えました。 「土と人間の関わりを作る」と言う発想は、 この違和感の正体はなんだろうと考えているうちに出てきたことでもあります。 少し理屈っぽく、かつ、結論を先に言うと、こういうことになります。 「福祉や医療と、環境問題では、需要と供給の構造が違っている。 だから、社会システムを作るためには、『土』と言う接点が要請される」 福祉の場合、例えば、 (0) (A)供給者 → (B)(サービス・金銭) → (C)受益者 と言う流れがあります。 あらゆる社会福祉や社会保障に関する議論は、 要するに、この(A)、(B)、(C)、特に、(A)、(B)の中身をめぐ るものだと言えます。 (1) (A)政府 → (B)福祉政策 → (C)国民 (2) (A)企業 → (B)サービス → (C)消費者 (3) (A)NPO → (B)サービス → (C)住民 修正資本主義とか、社会民主主義とかと言う考え方は、(1)、 市場主義とか、マネタリズムとかと言うのが、(2) 最近、自治体+市民の協力みたいなことを言う人は、(3) の主張をしていると言えます。 この(1)、(2)、(3)のどの立場に立つにしても、 とにかく、社会保障の場合、(0)の図式を前提に議論しているわけです。 そして、(0)の図式の場合、実は、(C)には、国民一般や消費者一般が いるわけではなく、明確に、サービスを受ける「受益者」がいます。 そして、個々の受益者毎に、「解決されるべき問題」の範囲が一応確定されて います。 例えば、24時間 × 365日介助が必要な人がいるとして、 自分が、ボランティアだろうと、有料だろうと、1日、その人を介助するとす ると、その人の問題を365分の1は解決したことになります。 ところが、環境問題の場合、仮に政府なり、NPOなり、企業なりが、「環境 問題解決のための行動」を行ったとすると、「受益者」にどういう風に届くか が、福祉問題の場合と全く違っていると言うことです。 (0−2) (A)供給者 → (B)環境保全活動 → (C)環境の質の 向上 → (D)受益者 (0)と(0−2)の違いは、供給者が、直接、受益者にサービスやモノ、お 金を与えていないと言うことです。 つまり、「欲しがっている人」に直接サービス、モノを与える、 そのサービスやモノを買うお金がない人には、何らかの形でお金(年金、手当 など)を与えるか、無料、ないしは安く供給する手だてを考える と言う論理がそもそも成り立たないのが、環境問題だと言うことです。 実は、環境問題に関わり出してから、「環境クラブ」を立ち上げるまでの間に 何となく、この辺の違いは意識しだしていたのですが、 まあ、現実にやってみれば、どうにかなるさと思って、始めたわけです。 ところが、どうやら、この違いはかなり決定的なものであって、 短期的には、ともかく、長期的には、この違いをきちんと考えないといけない と言うことにだんだん、気づきはじめました。 非営利であろうと、営利であろうと、「事業」と言うのは、現場においては、 「消しゴムを欲しがっている人がいたら、100円で消しゴムを売る」 と言う論理で成り立っているものだとしたら、 そもそも、供給者と受益者が、直接の関係で結ばれていない領域において、事 業は成り立たないわけです。 これは、神奈川県秦野市でリサイクル事業を始めた小泉さんから聞いた話しで すが、小泉さんも、最初は、なかなかうまく行かなかった ところが、「所有権移転代行」と言う理念を考えるようになってからうまく行 き出したのだそうです。 つまり、 「欲しくて買ったジュースが、100円。」 「その缶代が30円。」 「ところが、飲んでしまったら、その缶は、ゴミとなるだけ。」 「僕が、あなたの所有権を他の人に移転してあげますから、手数料を下さい。」 要するに、小泉さんは、供給者と受益者を直接結ぶ論理を考えついたわけです。 では、環境クラブは、どういう論理でいくのか、そう考えているうちに出てき たのが、「土と人間の関わりを作る」なのです。 この辺のお話しは、次回以降で・・・。 (続く) 環境クラブホームページ http://www.ecoclub.co.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <農業・図書情報>近藤康男が統計課長になった話「三世紀を生きて」第7回 「農林行政のなかの統計的調査」その1・(1月号、常盤政治と近藤康男の対 談から) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1、近藤が農林統計調査にかかわったいきさつ  常盤 近藤先生の年譜を拝見しますと、昭和一四年に農林省の統計官になっ たと出ています。その頃から統計調査に関与されているわけですが、農林省の 統計課長になられたのはどうしてですか。 近藤 1939(昭和14)年、有馬頼寧さんが農林大臣になった時、農林 省の統計が不整備だから専門家がほしいということで始まったと聞いています。 統計を専門にしているのでない私に白羽の矢が向けられたわけはわかりませ んが、私は社会主義的思想でありましたから当時強くなっていた思想弾圧を避 けるための避難だろうと見る人もありました。私には別のことを思い出します。 それはあの年に行われた国勢調査について「帝国農会報」に載せた論文で、農 家の産業分類の項に農家の自小作別をしている点を非常識だと批判して、産業 分類とはそんなものじゃないとした上で、しかし、あれは恐らく農林省が内閣 統計局に強要したものであろう、小作問題に当面している農林省としては無理 もない。役に立つ資料を得るための機会にしたのであろう。という解説をして いた。不合理だが必要であるという私の文章を認めた人が農林畑の方にあった からではないでしょうか。私は当時農林省という職場はよい職場と感じていた のでした。それで統計官をお受けしたように思います。  大臣のところへ最初の挨拶に行きましたら、有馬さんは「ここで各部局のこ とを聞いていると、例えば、新しく設けた副業課はワラ細工奨励のためワラが 必要と言う。畜産課も堆厩肥のためにワラが必要だと言う。ワラがどれだけ生 産されているか統計はあるのかと尋ねたがわかっていない。統計課の仕事だろ うが、これまで農林省の統計課は不十分であったようだから、しっかりやって くれ」というお話であった。  私が統計官になり、官房統計課の業務を点検すると、コメだけは作付面積、 作柄、予想収量、実収高まで伝統的によくやっている。その他が全くない。ワ ラもない。農林行政にとってワラより重要なものがいろいろあるがそれが無い のです。  常盤 当時の官房統計課はどうなっていたのでしょう。  近藤 あの頃、農林統計についは内部的な不満があったようです。農林省が これまで帝国農会に依託していた「農事統計」が当時急増していた農家の専業・ 兼業などを反映しなくなったという点です。満州事変で、兼業農家が多くなっ ているが、市町村農会の職員補充が困難となったこともあり、調査が困難とな り、農家専兼別・自小作別など移動が大きいことが明かなのに、「移動なし」 という報告が多く、実情を反映しなくなった。それに業を煮やした官房統計課 の長畑統計官が1938(昭和13)年に、農会を通さず、県・市町村統計係 に直接命令し、「農家一斉調査」を断行した結果、農会の報告した数字とは大 差があった。  ところが農林次官の小平さんが、そんな筈はないとして公表させなかった。 私が農林省統計課長として赴任して、最初の仕事として昭和一三年「農家一斉 調査」の解説として『わが国農家の統計的分析』をまとめ、次官の承認を得て 公表したのです。 調査実施は昭和13年、発表は1939(昭和14)年、私が官房統計課に 入ってからです。 (くわしくは全農林発行の『農村と都市をむすぶ』1月号参照。) http://www.catnet.ne.jp/zennorin/noson/nouson.html ━PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■■   劇団文化座・サンシャイン劇場提携公演 ■■■□       作・堀江安夫 演出・鈴木完一郎 ■■□□       『 い ろ は に 金 米 糖 』 ■□□□ 公演期間 2001年3月8日(木)〜18日(日) 会場 サンシャイン劇場 □□□□     料金 S席 6,000円 A席 4,000円(税込) □□□□    ★劇団先行予約受付中★TEL 03-3828-2216(代)★ http://bunkaza.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━━ ■山崎農研発行の書籍のご案内 http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_books.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●協力をいただいているサイト紹介コーナー 「農文協ルーラルネット」 http://www.ruralnet.or.jp/ 「山崎農業研究所」 http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_index.htm 「劇団文化座」 http://bunkaza.com/ -------------------------------------------------- 「75歳の伝記ライター 原田 勉」ホームページ制作管理 internet SOHO なずなコム http://nazuna.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ここまで読んでいただきありがとうございました。 ■ご意見・ご感想は、Eメール mailto:tom@nazuna.com または、電耕掲示板 http://www62.tcup.com/6201/tom.html? 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