*************************************************************** 週刊「74歳が送る農業文化マガジン『電子耕』」第8号 --農業・健康・食・図書・人物情報-- http://nazuna.com/tom/denshico.html 1999.8.19(木)発行      東京・ひばりケ丘  原田 勉 mailto:tom@nazuna.com *************************************発行部数749+35部********** <キーワード>   農業を中心として健康・食べ物・図書・人物・庶民の歴史を めぐる雑学情報を提供し、お互いの意見交換の場を作りましょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆メールアドレス変更のお知らせ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『電子耕』及び原田勉宛のメールは tom@nazuna.com にお願いします。自宅と職場の両方にダイレクトに 届くようになりました。よろしくお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎速報:8月19日(木)朝日新聞朝刊第2東京面 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『電子耕』が紹介されました。 「74歳がメールマガジン」 「いま私は自ら耕す人、未知の分野で挑戦する」 1200字ほどの記事です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <NHK教育番組からのお知らせ> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  きたる8月31日(火)夜10時からETVされる 「メルマガの世界」(仮題) という内容のドキュメンタリー番組が放送されます。  ぜひ、ご覧下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <読者の声> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆「くじら」さんから: 「(前略)私は仕事でお年寄りの方とお会いする機会も多いのですが、 原田さんのおっしゃっていた「年寄りの仕事は若い人のやっていること を評価して誉めてあげること」というお話に、なんだかとても感動しま した。  お年寄りの方の周りにいる若い人が忙しかったり、面倒がったりで、 話をする時間があまり取れないことが多いせいかもしれませんが、自信 が自分の役割がなくなってしまったと感じていらしたり、否定的な自己 像にとらわれてしまうのかなと感じていたので、「ああ、そうか!」と ずっと心に残っています。 (中略) ほんとは、お聞きしたいことがあるのです。  私の家の狭い庭に園芸店で買ったズッキーニの種をまいたので すが、芽が出て、葉もしげり、花もいくつか咲いたのですが、 実がひとつもなりませんでした。 葉が出た後は、油粕を少しあげたくらいだったのですが、 栄養不足だったのでしょうか?  このような家庭菜園程度の質問ができるようなHP等ご存知 でしたら教えていただきたいなと思って、メールしました。」  <お答え>  ズッキーニは「蔓なしカボチャ」といってカボチャと同じ作り方 でよいのですが、花が咲いて実がならないのは、もしかして、雄花 だけで、雌花が出ないのではないでしょうか。それはチッソ肥料 の効きすぎではないでしょうか。そうすると栄養成長ばかり旺盛で、 実どまりが悪くなります。  参考書は『こんなときどうする野菜づくり百科』板木利隆著 家の光協会 1500円があります。 「家庭菜園程度の質問ができるようなHP」ということですと、ヤフー ジャパン http://www.yahoo.co.jp/ に、キーワード「ズッキーニ(スペース)栽培」「ズッキーニ(スペー ス)菜園」と入力すると検索結果がたくさん得られますがいかがでしょ うか。私自身は職場の農文協図書館 http://www.ruralnet.or.jp/n_lib/ で調べてしまいますのでHPでの経験が無く、すぐこれといったページ をご紹介できません。 参考書籍案内でしたら、田舎の本屋さん http://www.ruralnet.or.jp/shop/ の掲示板で農文協の担当者が応えてくれます。インターネット書店のな かでも掲示板が設置されている例は他に見あたらないので、是非積極的 にご利用ください。 ◆「北海道の繁」さんから:最近食べた野菜事情を!というメールがあ りました。 「ハウスで作ったキュウリがコリィと音がしない。 人参は甘味が足りません、大根は辛みも甘味もなくなった。 生で味わえる野菜が少ないんです。北海道に住んでいてそうです。 品種改良や統一された種苗のせいだと思います。 1960〜70年代にかけたころ食べた生の大根をみんなに味わっ てもらいたい。その前に、腹を空かせる労働を味わうのもいいですね。」 <賛成、お説のとおりです> ◆新潟放送の荒川さんから: 「19日夜23時からのTV見て下さい。 TBS「筑紫哲也のニュース23」で「越後・棚田物語」が放映 される予定です。環境・食糧・人間の生き方を考える番組です。 新潟は全国一の棚田面積です。私は18カ月かけて現地取材、土と 生きる人たちの姿に感動・考えさせられました。 皆さん「小さな宮沢賢治」のような方ばかりです。ご覧下さい。」  <楽しみにしています> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <「電子耕」原稿・投稿募集> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・ このメルマガは読者の意見交換を一つの目的にしています。 「キーワード」の趣旨にそった投稿を募集しています。 ・字数は一人1回500字から1000字くらい。メールで   送って下さい。掲載するときのネームも添えて下さい。 mailto:tom@nazuna.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目 次 <舌耕のネタ>   敗戦・そのとき村は <農業・図書情報> おじいさんの戦争は終わったか            <ニュース解説>  ◎ 1000年前の稲の品種発見 <夏の健康食> 8月のしゅんの野菜         (8)そうめんのゴマ酢あじとミョウガ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <舌耕のネタ> 敗戦・そのとき村は ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  前の7号では長崎原爆のことを書きました。今回は農村はどう だったのか。農文協図書館に『敗戦そのとき村は』新山新太郎著の 本があります。当時の農村の一つの事例です。 秋田県湯沢市の旧村の役場の8・15を紹介している。 「8月14日警察から15日正午に重大放送があるから村民は取 り乱すことないようにという通達があった。  役場では机の上にラジオを据え、昼の弁当を食べながら聞くこ とにした。  ただ今より重大な玉音放送をお伝えします。と始まった。 みな、箸をおき息を呑んだ。ラジオは雑音がひどく聞き取れにく かったが、無条件降伏を受諾したことが告げられると、さすがの 助役も、唇をかみしめ、眼鏡をとって涙をふいた。兵事係りも、 ウオツと声を発して泣きだした。それにつれて勧業係りも収入役 も皆泣いてしまい、飯もたべずに終わった。  戦争だ戦争だと明け暮れ、大政翼賛のもと権力者として村民の 前に立ち、動員に、徴用に、供米に、否応もなく村民の尻をたた き続けた助役の権力の座が崩れはじめたのだ。  頭の回転の早い助役は、昨日まで村民たちにたたきつけた言葉 が今度は自分にふりかかってくると思った。かれは飯も手につか ず、そそくさと包みなおすと今度は机のうえに身を伏せて泣き崩 れた。しばらく泣いた彼は弁当を片手に自転車で帰っていった。  助役がでると、兵事係りも、勧業係りも仕事を放棄して家に帰 ってしまった。  後に残ったのは書記と小使の親父さんだけになった。 『あぎれ返ったもんだ。ハハハ』とひげづらの小使さんが一人で 笑いだした。 『戦争だ戦争だとあれほど張り切っていた助役であってみれば、凧 の糸がブッチリ切れたようなもんだろう・・。でもよ、少し気合い をかけすぎたではねえのか?みんな恨んでいたぞオ』 小使のおやじさんはずいぶんと率直な言葉をはいた。  助役は翌日役場へでてこなかった。  村人は、ザマをみれ、という気持ちと「しかたなくやったんだべ」 という復讐心と同情心のいりまじった複雑な心情で語り合っていた。」 新山新太郎さんは『農民私史』の著者でもある農民作家である。 http://www.ruralnet.or.jp/cgi-bin/isbn.cgi?isbn=ISBN4-540-78015-8 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <農業・図書情報> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『おじいさんの戦争はおわったか』近藤泰年著 農文協 1200円 http://www.ruralnet.or.jp/cgi-bin/isbn.cgi?isbn=ISBN4-540-91100-7  戦争犯罪にかかわったおじいさんの話を父が聞き、孫に伝える本。 おじいさんは1942(昭和17)年21歳で軍隊に入り、新兵教育 を受けて中国にわたり、満州・新京憲兵教習隊をへて憲兵になった。  中国各地で活動し、国境の警備・スパイの摘発、容疑者の銃殺など 侵略軍としていろいろな経験をしてきた。  広東で敗戦をむかえ、河南の戦犯収容所にはいった。死刑になった 仲間も5人いた。おじいさんは帰国してもなお、逃亡の日々がつず いた。D級戦犯の疑いがついてまわったのだ。  中国で天安門事件が起きたとき、おじいさんは「俺がいきている 間は話したことを絶対に公表してはならん、死んでからにしてくれ」 という。理由は中国の国内情勢からすると、また自分に戦犯追及の 矛先きが向く恐れがある。そうなると、  また逃げ回る人生をしなくてはならなくなるというのだった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <ニュース解説> ◎ 1000年前の稲の品種発見 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  朝日新聞7月26日の夕刊によると、「奈良・平安の木簡に 品種名 江戸の農書と一致」という見出しで、「稲の計画栽培は 1000年前から?」とサブタイトルにある。  発見した平川南・国立歴史民俗博物館教授は木簡の解読で有名 な研究者。福島県庁で記者会見したのは、いわき市の荒田目条里 遺跡と会津若松市の矢玉遺跡から稲の品種名などが記載された木 簡が各4点出土したから。  そのほかの5箇所からも15点出土している。見つかった木簡 は種籾の袋の中身を示すためにつけた付け札だった。初めは人名 か地名と思ったりしたが、偶然江戸初期の農書をみて稲の品種だ とわかって、他の農書も調べてわかった。  中には種をまく日付けも書かれていた。当時の国の末端組織の 郡庁が複数の種類の種籾を時期をずらしてまくことで、風水害の 被害を防ぐようにしたり、植え付け・収穫の人手を分散させるこ とを考えていたようだ。  1000年も前からコメという食糧は重要な収入源であり、貴 重な種籾を地方豪族にわけ与えることで、支配体制を強めたこと が推察される。 ---------------------------------------------------------------- <解説・意見> ----------------------------------------------------------------  さて、このニュースを読んで、考古学者が不勉強なのか、農学 者が不勉強なのか、どうして今まで木簡に書いてあった文字が籾 の名前(稲の品種)とわからなかったのか、ということである。  奈良・平安時代から米は全国的に作られていた。それが税にな り、給料になっていたのも分かっていた。木簡の上納品の名前が 書かれてことも知られている。  その後600〜700年たって盛んになった農業のことを、江 戸時代の農書は詳しく書いている。これも全国的に普及して多く の農書が書かれた。この研究は今から50年くらいさかのぼる。  それらの本に稲の品種も見える。江戸農書には稲の作柄を安定 させるために、作付けを分散させ、早稲・晩稲の時期も5段階に わけた稲の品種が多く書き出されている。  すでに20年まえから農山漁村文化協会という団体から現代語 訳のついた「日本農書全集」として刊行されている。  それを前記の平川南教授はご存知なかったのだろうか、農学者 なら農業史専攻でなくてもおおかたご存知だったはずである。  考古学と農学者の交流が薄かったことを暴露したニュースでは なかったかと指摘したいのである。  だが、現在のコメつくり軽視に比べれば、昔はいかにコメが重 要視されていたか、その点だけでも分かったのはお手柄であった。 そして長期的に考えれば、再びコメの重要性が復活する日もあるの ではと思われる。そこにこそ歴史を学ぶ価値があるだろう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <農業・図書情報> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  以下に稲の品種が多く出ている江戸時代の農書を紹介しよう。  問題発見のきっかけになった木簡の品種「畦越」の出ていた、 『清良記』は戦国時代の伊予の武将、土井清良の一代記。この巻七 がいわゆる「親民鑑月集」でわが国最古の農書とされる。  農業技術、経営、生活についていきいきと述べられている。稲の 品種については、早生、中生、晩生とそれぞれ12種が挙げられて いる。  福島県の農書には「会津農書」「農書全」がある。ともに稲の品 種が多く載せられている。 農文協から発行されている「日本農書全集」に収録されているのは、 第10巻 清良記(親民鑑月集)・他 5,048円 第19巻 会津農書・他       5,238円 第37巻 農書全・他        6,700円 http://www.ruralnet.or.jp/zensyu/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <夏の健康食>  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎ 8月のしゅんの野菜  ミョウガ、キュウリ、カボチャ、ナス、トマト、ピーマン、 シシトウガラシ、トウモロコシ、オクラ、サヤインゲン、 エダマメ、トウガン、シロウリ、コナス、レタス、根ショウガ、 葉ショウガ、モロキュウ、 (8)そうめんのゴマ酢あじとミョウガ 効用:ミョウガの花穂には精油や辛み成分がふくまれて、独特の 香りがあり、ビタミンB、Cやミネラルもあって、薬味として ぴったりです。ミョウガの葉をきざんでお風呂に入れれば、神経 痛、リュウマチ、肩凝り、腰痛、冷え症などに効きます。 作り方:1、そうめんはゆですぎないこと。 2、キュウリを板ずりして、せん切りにしておく。 3、卵のうすやきを作って、錦糸卵を作っておく。 4、海苔は香ばしくあぶり、もみノリにする。 5、めんつゆを作り、よく冷やしてからすりゴマと酢少しを加え   好みの味にする。 6、器にそうめんを盛り、キュウリ、錦糸卵、もみノリなどを美   しく飾る。めんつゆに、ミョウガの千切りを加えて食べる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <文化座ニュース> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■■ 劇団文化座109回公演  ●「パートナー」● ■■■□         これからの人生、 ■■□□    あなたはどのように生きていきますか? ■□□□      そして誰と生きていきますか? □□□□     出演 佐々木 愛  李 麗仙 ほか □□□□ 東京・1999年9月4日〜12日◆ 前売券発売中 □□□□ http://nazuna.com/bunkaza/partner1999.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「『電子耕』読みました」と付記して以下のアドレスにご予約いた だければ一般券が1割引になります。 mailto:bunkaza@anet.ne.jp ------ 予 告 ------------------------------------------------ 第9号:8月26日「老人力を考える・新農業基本法について 他」 第10号:9月2日「敗戦・その時劇団文化座は 他」 ---------------------------------------------------------------- ●協力をいただいているサイト紹介コーナー 「農文協ルーラルネット」 http://www.ruralnet.or.jp/ 「太陽コンサルタンツ」 http://www.taiyo-c.co.jp 「劇団文化座」 http://nazuna.com/bunkaza/ ここまで読んでいただきありがとうございました。 ■ご意見・ご感想は、Eメール mailto:tom@nazuna.com または、電耕掲示板 http://www62.tcup.com/6201/tom.html? までお願いします。 『電子耕』は、2つのルートで配送しております。   『まぐまぐ(ID=14872)』(http://www.mag2.com/)   『Macky !』(http://macky.nifty.ne.jp/) *************************************************************** 週刊「74歳が送る農業文化マガジン『電子耕』」第8号 --農業・健康・食・図書・人物情報-- http://nazuna.com/tom/denshico.html 1999.8.19(木)発行      東京・ひばりケ丘  原田 勉 http://nazuna.com/tom/ mailto:tom@nazuna.com *************************************発行部数749+35部**********