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◆追悼 <近藤康男先生の死去の報に接して>
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2005年11月25日、午前6時、近藤先生死去の報に接して106歳の生涯を想い、万感胸に迫るものがあった。
先生は1899年、愛知県岡崎市の農家に生まれ、第八高等学校の時から農民の側に立つことを志され、東大農業経済学科に進まれた。以来一貫して農民の立場から農業経済学者として一筋の途を歩まれ、農村・農民の中に入り、実証的研究を進め、早くも1932年、『農業経済論』においてマルクス経済学の視点で農業問題を社会科学として確立された。
1943年、思想弾圧により東大教授を追放されたが、戦後は東大に復職、農林省統計調査局長も兼務、食糧供出割当調査と農村民主化のために尽力された。農地改革への参与、共同研究『貧しさからの解放』の出版。『近藤康男著作集』など多数の著作と多くの教え子の中に先生の志は今もなお大きく生きている。
先生の著作・蔵書の全ては、自ら整理された近藤康男文庫として農文協図書館で公開されている。
http://www.ruralnet.or.jp/nbklib/book/071kondoubunko1.html
とくに最晩年の著作として、100歳になってから後輩のために編まれた『七十歳からの人生』は、高齢化社会になった我ら老人の生き方を指し示している。また『三世紀を生きて』は102歳までの人生を省み、過去の反省を含めた名著となっている。
http://www.ruralnet.or.jp/news/kondou/tankou.html
続いて想い出エッセイを104歳まで雑誌その他に発表された。
105歳の療養生活に入られてからも、リハビリに努力され最後まで生きる執念を維持され、生命を放棄されることはなかった。
ご冥福をお祈りいたします。
ホームページは、「農業経済学者 近藤康男の3世紀」
http://nazuna.com/100sai/
近藤家での葬儀は、12月1日、喪主、近藤淳(長男・こんどう・じゅん)さんにより、近親者のみにて行われました。自宅は非公表。
「お別れの会」は農文協・農文協図書館の主催により、次の通り行われました。
2005年12月12日(月曜)午後1時、港区青山葬儀所にて
(連絡先・農文協03−3585−1141)
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◆ お別れの会で「笑顔の写真」!
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近藤康男先生のお別れの会は、12月12日、青山葬儀所で行われた。参列者は南は沖縄から北の北海道まで、およそ500人。農業・農村関係と労働組合関係者が多かった。
お別れの言葉を捧げた人は、農村文化運動(農文協・農文協図書館)関係代表。全農林労働組合代表。農業経済学界代表。東大農学部長。ドイツ・チューネン博物館長。であった。農林省の統計調査局長を勤めておられたので、統計関係の担当部署や統計協会の研究者の出席も多かった。
近藤先生は、一貫して弱者の立場に立ち、戦前は、地主的土地所有の問題を指摘して東大を追放されることもあったが、戦後は農地改革に寄与され、また農村民主化のための稲作収量調査などで日本の農林統計の基礎を築かれた。
志を同じくする研究者を組織し『貧しさからの解放』や著作集を刊行された。それに列なる全国の研究者・学者の参列も目を引いた。
弔辞の中に、農林大臣や政治家などの名がなかったのも“弱者の立場”の近藤先生のお別れの会らしく、清々しいものを感じた。本来なら文化勲章をもらってもよいお人だと思ったが、今回の参列者にみるように、現体制や独占資本に奉仕する人々は見られなかった。
106歳の長寿を保ち、百歳を超えても一人で図書館に通勤し、『七十歳からの人生』と『三世紀を生きて』という高齢化社会の老人を励ます著作など奇跡に近い業績を残された。
104歳になって白内障の手術ののち視力が戻らず、自由な歩行が困難になっても、足腰の筋力トレーニングなどリハビリを続けられた。何をするにしても節制型で暴飲暴食をせず健康に気をつけられた健康法は、我々の範とすべきものであった。
最晩年の今年6月3日、農文協創立65周年記念式典には出席されなかったが、次のようなメッセージを寄せられた。これはひとえに農文協だけでなく、農業問題に携わる人々にとって遺言となるべきものであろう。
「農村文化運動をさらに発展させて、日本国内はもちろんアジア諸国にも影響を与え、ひいては世界平和に寄与するように、諸君の活躍に期待します。これからは100周年記念を目指して尽力されるようにお願いしたいと思います。」
祭壇に飾られた遺影は、近藤先生が103歳のときの写真とお見受けしたが、にこやかに笑っておられる笑顔は、「後輩の諸君よ、ではお別れだぞ」と言っておられるような感じでした。
先生の御志は、私たちの心に深く刻み込まれています。とお答えし、先生の御霊の安らかならんことを心からお祈り申しあげました。
農文協図書館監事・近藤理事長秘書
原田 勉
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